コラム
白樺の「樹液」と「樹皮」の違いとは?

最近では化粧品にも配合されている白樺。実は「樹液」と「樹皮」で特徴や効果に違いがあることをご存知でしょうか?

ご自身にあった白樺化粧品を選ぶためには、「樹液」と「樹皮」の違いを知って正しく選びましょう。

白樺は「樹液」と「樹皮」の両方がさまざまな形で活用されますが、それぞれ採取方法や特徴に違いがあります。

まずは、白樺の樹液と樹皮がどのように違うのか、見た目や味、香りなども含めて違いをご紹介します。

樹液

白樺の樹液は、幹に深さ2cmほどの穴を開けて、穴にパイプを通して採取します。

1本につき100~180Lもの量が採取されますが、4月から約1ヶ月しか採取できないうえに、空気に触れるとわずか数日間で発酵してしまうため、白樺の樹液はとても貴重とされています。

樹液と言えばドロリと粘度が高いイメージがありますが、白樺の樹液は水のようにサラサラとした液体。透明で無味無臭に近いですがほんのりと甘く、白樺の香りが楽しめます。

樹皮

白樺の樹皮は薄く剥がれやすいので、白樺の成長期である初夏には簡単に剥がせるほどです。

見た目は白く光沢があり、柔らかいことから細工物を作るために活用されます。樹皮の下にある形成層から剥がしてしまうと二度と再生されないので、樹液と同じように希少価値の高い素材です。

「樹液」に期待できる美容効果

「樹液」に期待できる美容効果

最近は白樺を配合した化粧品も増えてきていますが、ほとんどの場合、使われるのは「樹液」です。白樺の樹液は栄養豊富で、すぐれた美容効果をもつことで注目を集めています。

樹液に含まれる美容成分と美容効果

白樺の樹液には、アミノ酸やミネラル、タンパク質など、肌にとって必要な栄養素が豊富に含まれています。

含まれるミネラルはカリウム、カルシウム、マグネシウムなど[1]。美容効果としては、次のような効果が期待できます。

天然保湿因子の産生をサポートしてうるおいをもたらす

白樺樹液には、肌がつくりだす「天然保湿因子(NMF)」の産生をサポートしてくれるチカラがあります。天然保湿因子とは、肌内部からの水分の蒸散を防ぐ働きをするもの。

「フィラグリン」という物質からつくられますが、白樺樹液を肌に乗せると、フィラグリンの産生量が増えるという研究結果が報告されています[2]。

白樺樹液は、肌のうるおいを守るための天然保湿因子を増やしてくれる効果があると言えるでしょう。

バリア機能を高めて肌を健やかに保つ

白樺の樹液には、天然保湿因子をつくりだすだけでなく、バリア機能を高める効果も認められています。

ゆらぎがちな肌を外部の刺激から守るバリア機能。肌のバリア機能は、主に「コーニファイドエンベロープ」と「セラミド」という物質が結びつくことで形成されています。

白樺樹液は「コーニファイドエンベロープ」の原料となる「インボルクリン」を産生するサポートをしてくれることがわかっており、外的刺激に負けない健やかな肌を作り出すために有効です[2][3]。

化粧品原材料としての活用方法

健やかでうるおいのある肌へと導く美容効果をもつ白樺樹液。化粧品としては、化粧水・美容液・シートマスク・クリームなどさまざまなプロダクトで活用されています。

白樺樹液のもつ優れた美容効果は、水分を含むすべての基礎化粧品と相性抜群です。

「樹皮」に期待できる美容効果

「樹皮」に期待できる美容効果

次に、白樺樹皮に期待できる美容効果についてご紹介します。樹液とは期待できる効果も違いますが、樹皮も美容成分として活用できる効果をもっています。

樹皮に含まれる美容成分と美容効果

白樺の樹皮に含まれる美容成分は、「ベチュリン」という抗菌作用をもつ物質で[4]、ベチュリンは白樺の樹皮の白色をつくりだしている物質で、抗菌作用・防腐性に優れています。

その効果の高さは、白樺の樹木の内側が腐ってしまっても、樹皮の部分だけは残ると言われているほどです。

ニキビやヘルペスなどの症状を緩和

抗菌作用をもつ白樺の樹皮は、ニキビやヘルペスなど、細菌・ウイルス性の肌トラブルを緩和する効果が期待できます。

ニキビはアクネ菌の増殖、ヘルペスはヘルペスウイルスへの感染による症状で、いずれも肌に炎症を引き起こす厄介な菌ですが、白樺樹皮に含まれるベチュリンの抗菌作用を活かせば、アクネ菌の増殖やヘルペスウイルスへの感染を予防できる可能性があります。

抗酸化成分によるアンチエイジング効果

白樺の樹皮には抗酸化物質が豊富に含まれていて、アンチエイジングへの効果も期待できます。

含まれる抗酸化物質は、フラボノイド・サポニン・タンニンなどのポリフェノールとビタミンC[5]、そしてベチュリンです。

植物に多く含有されるポリフェノールは、ビタミンEやビタミンCの数十倍もの抗酸化能力をもつといわれていて[6]、アンチエイジングケアの強い味方となってくれます。

化粧品原材料としての活用方法

白樺樹皮は、「シラカバ樹皮エキス」として多くの化粧品に配合されています。化粧水・美容液・クリームなどの基礎化粧品から、クレンジング・石鹸などの洗顔料まで。樹液とは効果が違いますが、白樺樹皮にも優れた美容効果が秘められています。

白樺配合化粧品を選ぶなら「樹液」と「樹皮」の違いに注目

白樺配合化粧品を選ぶなら「樹液」と「樹皮」の違いに注目

白樺の「樹液」と「樹皮」にはそれぞれ違う成分が含まれていて、化粧品としての美容効果にも違いがあります。期待できる効果は、白樺樹液なら保湿効果とバリア機能強化作用、白樺樹皮なら抗菌作用とアンチエイジング効果です。

いずれも優れた美容効果をもっていますが、せっかくならご自身にあったほうを選び、より高い効果を実感したいと思われることでしょう。 白樺配合化粧品を選ぶときには、樹液と樹皮の違いを把握して、ご自身の肌の悩みにあったものを選ぶようにしてください。

[1]参照:国立研究開発法人森林研究・整備機構:「森林の多面的機能」解説シリーズ

[2]参照:JSTAGE:(PDF)シラカンバ(BetulaplatyphyllaSukatchevvar.japonicaHara)樹液の培養ヒト表皮角化細胞の分化に及ぼす影響

[3]参照:JSTAGE:(PDF)皮膚の保湿メカニズム

[4]参照:森林・林業学習館:白樺

[5]参照:わかさの秘密:白樺

[6]参照:JSTAGE:(PDF)酸化ストレスと抗酸化療法

この記事の監修は
宮田善之
(みやた よしゆき)
慶應義塾大学医学部感染症学教室共同研究員
慶應義塾大学宇宙法研究センター

 昭和60年~平成4年:ポーラ化成工業株式会社にて、放射線増感剤、薬剤耐性解除剤についての創薬研究
平成2年:感染症学の研究(トリパノソーマ、薬剤耐性マラリア)を慶應義塾大学医学部寄生虫学教室と共同で開始
平成3年:ボリビアへ シャーガス病の治療薬の臨床研究の足場作りに
平成4年:薬剤耐性マラリアの研究の耐性解除薬の創薬研究を開始
平成5年:慶應義塾大学医学部熱帯医学寄生虫学教室(後に、感染症学教室に改組)共同研究員に北里大学薬学部薬化学教室(後に、生命薬化学教室に改組)講座研究員に
平成25年:北里大学薬学部にて学位取得 

<研究分野>病原原虫〜薬剤耐性感染マラリア、トリパノソース、トリコモナス、抗がん剤、偽造薬物